「引導を渡す」と初めてライブ会場へ…
先月、東京で売れない芸人をしている長男から
「9月に初の単独ライブをするから、誕生日プレゼントという事で来ない?」
と連絡がありました。誕生日なのは長男です。
それで私と娘は
「行く!チケット2枚!」
と即答。夫は
「俺は恥ずかしいから、(長男に)内緒で行きたい。」
と言うので、半月ほどおいて
「1枚追加で。」
なんていう小細工をしておきました。
合計3枚バレバレじゃんと思いつつ、この連休に上京してきました。
前日、夫は知人に
「そろそろ引導を渡さないとな。」
などとシビアな感じで話しているのが聞こえてきて、そんな覚悟で行くんかと、誕生日プレゼントどころじゃないというか、アダになったのでは?と少々不安になりました。
いつもの旅行のように、宿泊の手配や計画は私が立てて、食事は夫にお任せ。
ところが、さぁ何処にしますかとなったら
「全然考えてない。」
「何で?行きたいん所があるんじゃないの?」
「お腹が痛くなると悪いから…。」
「はっ?意味わからん。」
「もうずっとお腹が痛い…」
長男の舞台を生で観るのが初めてで、緊張し過ぎて数日前から胃が痛いのだそうです。だから食べ物のことは考えられなかったらしい。
当日の夜、娘と合流し会場へと歩いていても、いつの間にか遅れを取るので
「行かないで待ってる?」
と何度も聞きましたが
「いや、行く。」
そう言って後ろからついて来ました。
少し早く着いた会場の前には既に並んでいる人もいて、お客が私たちだけじゃなくて良かったとひとまず安心。
入ってみると小さな会場ですが、とりあえず満席でした。そして、見渡すと夫と私がおそらく最高齢のようです。
長男のアナウンスが流れ、いよいよ開幕。
私はやはり心配で笑えず、長男の髪型が変だなとか、痩せたなとか、年取ったなとか、フリートークが弱いなとか、そんな事を考えてしまいます。
ところが、あんなに緊張し「お腹痛い」と言っていた夫は隣でアハハと笑っているじゃあないか。
えーーーーー!
1時間程のライブでしたが無事終了。出待ちはしないでと注意があったので、すぐ帰るのかと思いきや、夫は
「(長男に)会ってくる。親なんだからいいだろう。」
そう言って、会場へ戻って行きました。
私は6月に長男と会っているけど、夫は丸2年会っていません。そりゃ会いたいよなと思います。
しばらくして戻ってくると、
「会って来た!すげー驚いていたぞ!」
バレバレだと思っていたのに、夫が来るとは思っていなかったそうです。鈍い子でよかった。夫のサプライズは大成功でした。
「こづかいくれてきた。相方にも飯代って言ってくれて来た。」
とご機嫌。
「笑ってしまったから、引導じゃなくてこづかい渡す羽目になった。あー、腹減ったー。」
そして、帰り道は足取りが軽くなっていたのでした。
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