水分不足を指摘されるのが嫌なんだろうか
夜9時半、お風呂に入ろうと着替えを手にするとスマホが鳴った。実家の兄からで嫌な予感しかしない。母に何かが起きたんだろう。
「どうした?」
母がお風呂に1時間も入っていて、出たと思ったらトイレに30分もこもっていて、声をかけてもただ唸っている、とのこと。
トイレのドアを開け様子を見たりすれば良いのに、息子的には憚れるとのことで、車で向かうことにした。
あんたいくつだよ⁉︎
とも思うけど、私も父の晩年にトイレの介助ができなかったんだ。何となく、娘に下の世話されるって父としてどうなんだろう?とか考えてしまったから。
実家のトイレへ行きドアを開けると、母が苦痛の面持ちで唸っていて、
「お腹痛いの? う◯ち出そうなの?」
と聞くと、そうだと頷く。
こんなこと確か前にも何度かあったような…便秘便の腹痛だ。
時々、トイレから出てきてブルブルと震えながらヒーターの前で暖を取り、またトイレへ。結局それを2時間くらい続けたそう。
とにかく水分が足りてないのだ。
夏にも足がつると言うので、
「水分不足だよ、喉が渇かなくても意識して水飲みなさいね。」
と、水分を取る習慣を持たせたのだった。
本当に高齢になると喉の渇きがわからないらしい。真夏でも喉が渇かないなら冬は尚更。
最近は寒くなってきたので
「冷たいのを飲むと寒くなるから飲まない。」
とか言い出して。
「じゃ、温かいお茶とか白湯を飲めばいいんだよ。」
と言ったら変な顔していたのだった。
震える母に、身体が冷えただろうしお腹を温めるのに
「ホットミルクとか白湯とか飲もう。」
と促しても
「お腹痛いから飲まない。」
そして、
「夜遅いから帰って。」
と言う。まぁ原因もわかったことだし、何度も水分不足だよ、水分取るんだよ、と言って帰ってきた。
翌日、また実家に顔を出すと、
「今朝は11時まで寝ていた。びっくりした。」
そうで、出たう◯ちが凄い色だとか語り始めた。
それは血便ではなく、硬過ぎてどこか切れたのではないかと思う。先月、大腸がんの検査済みで異常なしだったから。
そしてまたしつこく
「水分取るんだよ。」
と言うと、露骨に嫌な顔をされた。
私はまだ80歳になったことがないのでわからないのだけど、水分を取ることを嫌がるのは何なんだろう。
父も晩年、頑なに拒否していたし、その事を怒っていたはずの母もまた不満気な顔をする。
兄とも話したんだけど、
「子どもより悪いよね。」
素直じゃないし、ひとの意見を聞き入れないし。大抵のことなら母が納得するようにどうぞ、と出来る限り付き合ってあげてるけど、体調が絡むとそうもいかない。
子どもなら言って聞かせたり、褒めたり持ち上げたり、聞かなければ強制的にでも…ってできるけど。
いつか自分もそうなるのかと思うとゾッとするので、備忘録として残しておこうと思った。
ポチっとお願いします
励みになります↓