おばあさんの服はわからない
私よりも食べる量が多いのに、数年前から
「食べても太らない。」
と言っていた母でしたが、3ヶ月間の入院生活で、更に痩せてしまいました。
私は好きじゃないんだけど、レギンスのような細めのピタッとしたパンツを履くので、余計に足の細さが目立ちます。
昔は明るい色を着ていたのに、黒とかグレー地によくわからない模様の入った服を好むようになり、なんだか名実ともにおばあさんになりました。
退院後、昔の服を引っ張り出して着て
「ろくな服がない。」
と嘆いています。結構衣装持ちだったんじゃないかしらと思いつつも、
「じゃあ服でも見て来る?」
と車に乗せて出かけました。
痩せた身体が目立たないようなデザイン、明るい色味のものを着せたい私が選ぶ服を、ことごとく拒絶。
「ばばぁくさい。」
と82歳が言い、
「いや立派なばばぁでしょう。」
と返し。
何が「ばばぁくさい」の基準なんでしょう?
母が気に入ったトルコブルーの色をした服を見れば、
顔と合ってないから…
と、何度も鏡の前で合わせて気づかせたい。思いとどませたい。他に手にしたのを見ては、
グレー地に小花柄って…それこそばばぁくさいんじゃ?
もうお互いの好みが違い過ぎて
これ、どう? いいねぇ! になりません。
そのうち助け舟の店員さんがやって来たので、
「病気で痩せ過ぎちゃったので、カバーできるものがいいんです。」
と言うと、アレコレと見繕って持って来てくれて、褒めてくれて、まんまとそれらを購入しました。
痩せたおばあちゃんの服選びのポイントは
首元があまり出ないように、少し詰まったデザイン
お尻が隠れる丈、長すぎるとバランスが悪い
薄くなった胸元にはシャーリングが入ったデザイン
袖は五分丈、7分丈
なるほどぉと思いました。未来の参考にしましょう。
今はまだ、おばあさんの服の素敵さがわからないけど、いつかこれらを
「あら素敵ねぇ」
と思う日が来るのかな。
柄や色味はもっと明るい方が好きだなぁ。ハデなばばぁに私はなろうと思う。
そして、
「もったいない、よそ行きにしようなんて言わないで、すぐ着なね。」
なんて言いながら帰って来ました。
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