あの日と同じ匂いがした
先日、義母の命日でした。
朝、窓を開けたときに、あの日と同じ空気というか匂いがして、
「こんな時期だったんだよなぁ…と思った。」
そう夫に言うと、
「えっ?今日?」
と、相変わらず素っ頓狂でした。
あの日の早朝、危篤の知らせを聞いて、夫と義父、義弟が急いで病院へ走り死に目に会えたのだけど。
「断末魔がショックだったんだよね。」
と20年以上経って初告白してきた。
「このヤローみたいな、チキショーみたいな…。唸り声みたいな。誰もその時のことを口にすることがなかった。今、初めて言った。」
義母は胃癌だった。
「親孝行出来なかったから怒ってたんかな…。」
それは違う。絶対違う。
まだ、生きたかったんだよね。59歳だもの。
「孫の世話もしたいし一緒に遊びたい、成長をまだまだ見たいよ。」
と言っていたし、私の実家の母のように
「もう充分生きた」
まで全然到達していなくて、未練がいっぱいだったはず。
余命宣告されていたのを本人には黙っていたから
「皆んなで私を騙してる。」
とよく愚痴っていた。それを無理矢理明るくなだめるのが苦しかった。
あれでよかったのか。義父や夫の考えだから仕方ないけど、私なら本当の事を知りたい。
義母は耐えられる人だったのか、自分じゃないからわからないのだけれど。
そうか、苦痛の中で逝ったのか…
20年以上経って知り、私もちょっとショックでした。
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