母と息子と東京タワー
「母の夢を叶えたろか」2日目の続き
叔母と従姉妹と別れた後は、私の長男と会うことになっていました。長男と会うのは2年ぶりです。母は3年ぶりです。
昨夜のライブ後は、時間がなく話もできないということで、前々日くらいに
"1日空けてあるから"
と連絡が来ました。
母も、孫にお小遣いを渡したいと用意してきて、大事そうにティッシュに包んでいました。ポチ袋という物がある事を記憶から消えてしまったみたいです。
息子と落ち合い、何処へ行ったら母が喜ぶのかわからぬまま、
「東京タワーに行ってみる?」
と提案。すると、
「俺、行ったことないし、いいねー。」
「連れて行ったよ!4歳くらいの頃。」
「全然覚えてない。子どもの頃は連れて行っても意味ないねー。」
そういえば当時、義母にもそんな事言われ「フン!」と思ったけど、その通りでした。
事前に母には行きたい所ないかと聞くと、
「わからない。別に行かなくていい。」
かといって、ホテルでずーっと母とふたりで過ごすのも会話が噛み合わないこともあって正直苦しい。だから息子から連絡が来た時は、間が持つし本当にありがたかったのです。
タクシーから降りると、母は東京タワーを見上げて
「わぁ…ここ、昔来たことあるわ。」
と凄く驚いた様子。
展望台で景色を眺めながら
「子どもが、こーんな時連れて来たわぁ。姉ちゃんと子どもたちと…。あんただったかな、こーんな小さい時。」
と何度も何度も言っていました。
その頃見た風景とはまるで違っているんだろう、半世紀前のその記憶、たぶんこーんなだったのは私じゃなく兄です。
初めて来た(?)という息子も
「東京タワー、良かったね!」
と言ってくれて、私はとても嬉しかった。
それから、夕ご飯を食べている時に息子から報告がありました。数日前に夫から息子へ
"おばあちゃんは東京へいくのが最後かもしれないから、しっかり接待するように"
と連絡が来て3万円振り込まれたそうです。
そういうことだったのね。
昨夜のライブが招待になったのも、バイトを躊躇なく休んだのも、突然の連絡も合点がいきました。
息子も黙って自分の手柄にすれば良いものを素直というか馬鹿正直というか。
でも、嬉しかったからOKです。
ただ私の計画が弱く、母をまた沢山歩かせてしまいました。何度も乗り換えで不安にさせ、ホテルに戻ったのも夜遅くになってしまい、どうだったんだろうかと、昨夜に続き泥のように眠る母を見て思うのでした。
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