責任感が強過ぎる人
長年通っている美容院のお姉さんから電話がきて、何やら慌てている様子で
「週1のバイトなんだけどできない?先方も急いでいるみたいでさぁ。」
しかし、彼女もお店のお客さんから聞いた話らしく、バイトの中身もわからない。それで後でお店へ直接聞きに行くことにしました。
お姉さんの話では、そのお客さんは直接関係ないそうで、バイトの連絡先が書かれたメモがテーブルの上にありました。
お姉さんのスマホでスピーカーにして電話をしてみると…
先方は雇用主かと思いきや、パートの60代のおばさまで、今月末でパートを辞めるから自分の後釜を探しているとのことでした。
「後任の人を自分で見つけないと辞められないのですか?」
そうだとしたら気楽に引き受けられないので聞いてみると
「そんな事はないんですけど…。履歴書を持って来てくれたら、上の人に見てもらえると思うので。」
とおっしゃる。
しかもそのおばさま(仮にUさんとします)は、そのパートを始めて4ヶ月とのことで、そんな週一パートで4ヶ月しか働いてない方が、責任感から勝手に後任探しをしているようでした。
そして、そのことを自分の友人に相談したところ、その友人の方は夜も眠れない程悩んで、美容院のお姉さんに相談にきたのでした。
あまりにも切羽詰まった様子に驚いたお姉さんは、私の顔が浮かんで大急ぎで電話をしてきた、という話。
業務内容も、なんというかお留守番的な感じで、Uさんが辞めたとしても回せそうな感じがします。美容院のお姉さんも
「この仕事でお金貰えるんなら、私も店閉めて行きたいわぁ。」
と言うくらいで、私も気楽そうでいいなぁと思いましたが、正式な募集というわけでもないし、トラブルになるのも嫌です。
「後任探しは上の方たちの仕事ですし、何か考えてられると思いますので、そちらを優先していただいて。どうしても当てがないようでしたら連絡ください。」
と言って電話を切りました。
何を聞いても
「…だと思う。」
ばかりで不安要素がいっぱいです。
で、この話は終わったなと思っていたら、翌朝またUさんから電話がきました。
「明日、履歴書を持って来てもらえますか?私が上の方に渡しておきますので。」
「それは、上の方に確認されたのですか?」
「いいえ。とりあえず履歴書をいただいて、その後は上の方が決めるので。」
何も伝わってなかった…。せめて確認くらいしましょうよ。
お姉さんからの頼みだったから首を突っ込んだだけで、そこまでしてその週一パートをしたいわけでもありません。
「後任を見つけなくてもUさんは今月末で辞められますから、そんなに心配しないで大丈夫ですよ。その後のことは上の方たちが決めることですし。先走って履歴書を持って行くのはちょっと恥ずかしいというか、どうかと思います。ちゃんと公式な募集があったときに考えさせていただくので、今回は申し訳ありません。」
というような感じ答えました。
大丈夫かなぁ、伝わったかなぁ。
異常な責任感をお持ちの人たちがいるんだなぁ…と勉強させてもらいましたし、わけのわからないオバさん4人で真剣に何をしているんだろうかと滑稽にも思え、笑えてきました。
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