淋しくねーよ、と夫は言った
子どもからの電話は何というのか構えてしまう。まぁ良くない事だろうなと、心に鎧をまとい娘からの電話に出た。
「良くない事だと思ってるでしょう?」
バレました。
「うん。で、何が起きた?」
「ふふっ、◯◯社から内定もらった〜。」
今年の5月くらいから就活をしていて、真面目故に追い込み過ぎ、部屋や自身が洗濯物の嫌な匂いになる程だった。
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とりあえず実を結んだようで、嬉しくて嬉しくてLINEではなく話したくなったよう。
このまま就活をやめてもいいけど、もう少しチャレンジするとのことだった。
「でさ、淋しいと思うけど私はそっちに帰らないことになるよ。ごめんね。」
東京で就職するか地元へ戻るか、随分悩んでいたけどこれでケリがついてしまった。
夫は横から
「淋しくねーよ。」
と言っていたけど、何社か地元企業のインターンに行ったのは先月のことで、下手に期待した分落胆も大きいだろうな。
娘がUターンしたら嬉しいのは間違いないのだけど、四半世紀後には娘もまた、ちぎれるような想いをせねばならないし、それが可哀想になる。
私たちが若かった頃は地方もまだ発展していくような活気があったけど、もうすっかり変わってしまい、廃れていくばかりだ。
親はいつか老いていなくなるし、ここで生きて行けとはとても言えない。
だから、ちょっと胸のあたりが苦しいんだけど、良かったなぁと思っている。
ただ夫には本当に申し訳ないような気持ちになってしまう。
「お父さんの仕事を継ぐ!」
と言っていた息子たちも、東京へ行ってしまい戻ることはないだろう。
勉強を見てやらなければ、塾なんか行かせてなければよかったかな、そんなことを思ってしまう。
でも子どもが側に居ないというのは、要らぬ心配や口出しもせずに済むし、大人になってくれるのが良いところだ。
最後は夫婦ふたりに戻るんだなぁとしみじみ思う。
ありがたいのは、結構仲良く暮らせていること。これからも、子どもたちに心配されないように楽しくいきたいと思っております。
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